本の前書き(大丈夫、あのブッダも家族に悩んだ)で伝えたとおり、
ほんとうに、よくここまで生きてきたね
という言葉をそのままお伝えしたくなるような日常を生きている方々がたくさんおられます。
そうした人たちとの出会いを、今回の連載はあらためて授けてくれることになりました。
いつも感じることは、この場所・この命にできることは、あまりに限られていて、無力・非力を痛感せざるをえない(痛感することくらいしかできない)こと。
一人一人は、自分の人生を生きるしかなくて、
その事実は、これからもずっと変わらないのだけれど、
それでも、だからこそ、そうした現実の中に、わずかでも新しい希望というか、可能性というか、
少なくとも なにか方法があるかもしれない
という予感だけはあるほうがよくて、また実際に予感して会いに来てくださる人たちが、こうして新しく出てきたことは、
あまりに無力な現実を思い知って、つつしむことくらいしかできないのですが、
それでも、よき変化であり兆候だと思えてきます。
この命は、できることはあまりに限られているけれども、
少なくとも気持ちにおいては、誰も置き去りにはしないように、そう願い続けています。
だから調子に乗ることもないし、欲を張ることもありません。
この命は、自分だけのものではないぞ
というのは、出家した時に約束したことでもあるから。
ちゃんと声を届けていきます。
この世に生きる多くの人たちのことを想いながら、
この命の使い方についても慎重に考えていきたいと思っています。
これからも。
2024年6月