本の中の原始仏典の翻訳は、はい、私が訳しなおしたオリジナルです。
たとえば、『怒る技法』のラストページの、
心を堅く守り、智慧の剣(技)をもって闘いなさい。
手にした智慧を活かすのです――ただ幸せのために。
ダンマパダ
「ただ幸せのために」は、かなり工夫して訳したところです(他の訳の苦労は忘れたけれど、ここだけは覚えている(笑)。原文引用できますが、探す手間がかかるので省略しますw。ダンマパダは短いので、それぞれ確かめてみてください)。
日本の学者の翻訳と、英語訳(数バージョンある)、パーリ語の原訳(⇒パーリ語・英語辞典を使って意味を確認)がベースです。
あと漢訳も。ただ、漢訳は、日本で仏教の研究を始めた最初の頃に、自前のノートの訳(海外で作っていたもの)を現代の日本語に置き換える際にある程度当たって、「日本語の翻訳より意外と意味が通る」部分を参考にして、オリジナルの訳に活かし直したので、今はあまり使っていません(たとえば「不苦不楽」 ⇒ 不快でもなく快でもなく ⇒ 中立心=ニュートラル とか 「感受」⇒ 感情 とか)。
こうした新しい訳から入ると、「なるほど」と、特に考える必要もなくスッと入ってきますが、日本の仏教学はいまだに漢訳に縛られているので、古くて通じない言葉がずっと使われていたりします。
「本質」をつかんで、さまざまな訳語を脳裏に並べて、最後は直観(スッと通る感覚)で言葉を選ぶ、あるいは作り直す。
元の意味から離れたら意味がないけど、こうすることで、元の意味に限りなく近づける。
そうした工夫を凝らして、どの本の訳も作り上げています。

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2026年10月