『反応しない練習』を最近読んだという方に向けて
「コレは!」と感じるものがあった人は、じっくり腰を据えて実践を続けることをお勧めします。
なるべく他の本もしっかり読んで、自分についての理解を深めてください。そして、「どうすればいいか」という具体的な方法を実践してください。半年、一年と。
多くの人は、自我(自分への執着)への誘惑に駆られた精神状態で生活しています。
だからこそ、そもそも本を読まない(学ぶ必要性を感じていない)人も世の中には多いものです。それは自然なこと。必要性を感じていないのだから、どのように生きるのも完全に自由だし、本人にとっては正解です。
他方、少しでも課題を感じている人、さらには明らかな悩みや苦痛がある人は、どこかに解決のヒントを探し始めるものです。
手っ取り早く動画やSNSやインターネット、生成AIに当たる人も多いはず。ただ、こうした世界は、お手軽な情報が手に入る便利さはあるけれども、やはり「それだけ(情報止まり)」で終わることがフツーです。
スマホやパソコンの画面を眺めて得られる情報には、自我への執着や妄想を突き破る力はありません。
それは本(活字を読むこと)でも同じですが、ただ、本の場合は、最初から最後まで一貫した書き手の視点で情報を追っていくという、それだけでも大きく違う作業が必要になります。
一貫して情報を追うというのは、それだけ能動的な知的作業が必要になる。しかも最後まで読み通すというのは、動画を断片的に眺めることでは得られない「視点をもって」、明確に限定された範囲内の情報に触れ続けることになる。
一定の知的作業、いわば心(脳)の姿勢みたいなものが一貫して必要になるので、得るもの・残るものも、それだけ(動画を眺めるだけに比べれば)深くなるのかもしれません。「頭を使う」ということでもあります。
そして、そこで得たものが自分にとって価値があると思ったら、しっかり言語化するか、行動に移して「習慣化」していくプロセスに入ることになります。
そのプロセスに入らないと、すぐに自我への執着・妄想モードに戻ってしまう。
自分のままに留まるか、自分を越える可能性へと踏み出すか、二者択一だということです。
だから、一冊の本を読んで「これはいい(価値がある)」と思ったら、まずは行動し続けること、実践を続けること。
そして、一冊の本には語られていない別の知識や情報や智慧(方法)があるかもしれないと考えて、同じ書き手の別の作品に手を伸ばす、という作業が必要になります。それこそが、深める、掘り下げるということです。
ですので、前向きな感想を送ってくださった方にお伝えできる次のステップは、「他の本も読んでみてください」ということになります。
相談に来る人たちに必ずお伝えしている、たとえば『大丈夫、あのブッダも家族に悩んだ』(筑摩書房)を読んでみてください。
読まない人があまりに多いのです(それはそれでいいのだけれど^^)。
『反応しない練習』は入門編。たしかに読みやすい。でも自我への執着を突き破るところまでは進めない。
草薙龍瞬の作品は、同じことを書いていません(本質は共通しているけれど)。必ず新しい発見・学びが得られるように作っているので、一冊読んで「コレは!」と思える部分があったら、今こそ千載一遇のチャンスだと思って、ぜひ読んでもらえたらと思います。
(宣伝ではありませんよ、それだけ大事な、新しいことが書いてあるということです笑)。
2025年12月23日