元気に年を越せればそれでよし


興道の里の講座も、12月28日に全編完了。


みなさん、よく精進してくださいました(感動と尊敬の意)。

この時期は、興道の里に出入りする人たちのお声を聞ける時期でもあります。

あたたかい言葉をたくさん受け取っています。ありがとうございます。


日頃はどんな暮らしをしているのかわからないし、大げさではなく生きておられるかも確かめようがないので、いつも気にかけています。あの人はどうしてるかな~と考えることも、よくあります。

この場所は、川のようなもので、流れ続けるだけ、求める人がいたら水を差し上げるだけで、こちらから広げたり追いかけたりはしませんが、ただ、川は川なりに人のことを想うものです。


どうか一人ひとりが、よき日々を過ごせるようにーー。

幸せに近づいているなら、川としては十分です。



いよいよ、2022年も終了。

しっかり目を覚まして、時代・社会よりも先を生きる人として、新年を迎えましょう。



2022年12月29日



最新刊いよいよ

12月21日(水)
『人生をスッキリ整えるノート』のカバー修正などのやり取りが一日続いた。

本当は今日午前が校了だったが、またまた細部に改善すべき点が見つかって、すべての点について要望を伝え終えたのが、夜の午後十時。印刷所のオぺレーターさんはまだ作業中。

本においては、私は完全に無報酬のつもりでやっている。今回はイラストも描いたが、原稿料はナシw。

私にとって、本は「手紙」である。仕事じゃない。読者の一人ひとりに送る、とびきり凝った手紙。切手を貼る位置にさえこだわる(笑)。宛名を書き損じたら、もう一度封筒から買い直す。そういう位置づけだ。

納得いく作品ができるなら、こちらが持ち出したってかまわない。関わる人すべてに貢献を。読者には、真心尽くした手紙を届ける。

これは、出家にとってはあったりまえのことだ。成果は人さまのもの。

自分にとっての基準は、納得のいく作品になったかどうかだけ。

 

いくつかの微調整を重ねて、全部の作業が終わったのは、午前1時だった。ここから印刷所のオペレーターさんは作業することになるのだろう。

今の時代、異常な額のお金を簡単に稼げてしまう世界もあれば、こうして自分たちの時間を切り売りして、その対価しか受け取れない世界もある。出版社、印刷所、デザイナー、DTPさん、そして物書きもまた、超零細企業であることは間違いない。

著者の場合は、自分の作品として世に出せる納得がある。だが、本づくりに携わる人たちの粉骨ぶりは、人の目に触れることはない。だがみんな骨身を削って頑張っている。そういう人たちも安心して働ける社会、ちゃんと報われる世の中であってほしいと思う。


今回の作品ほど、刷り上がりが楽しみなものはない。さて映(ば)えるものが生まれたかどうかーー。


今が一番幸せといえる自分を作る 
人生をスッキリ整えるノート


本日校了。みなさん、お疲れさまでした。

年明けにふさわしい愛嬌満載の最新刊。

イラストが超充実。ながめるだけで楽しいノート。

全国の書店で手に入ります。予約開始。




 

 

もしその時が来たら

12月16日
執筆に追われているうちに、あっという間にその日が来てしまった。

とあるラジオ番組の収録日。※すみません。出家は臆病者なので具体名は伏せますw。

〇〇のスタジオまで、自転車で向かった。淡い茜の冬空が凛と冴えていた。

想像以上に大きかった。大通りだと思っていた道は、敷地に通じる入り口だった。

出家が一人、チャリンコでスタジオの敷地に入っていく(笑)。

門衛さんにどこに行けばいいかと聞いたら、番組のゲスト名をチェックして、「地下の駐車場に降りて、そこで入館証をもらって、〇階に上がってください」と言われた。

その間もひっきりなしに車が入って来る。敷地内はイルミネーションに彩られて、さながら竜宮城のようなきらびやかさ。

今回お声がかかったのは、番組スタッフの20代の女性が、書店で『反応しない練習』を見つけてくださったことが、きっかけ。実にいろんなところで見つけてくれるものだと、感じ入る。本の力は、本当にすごい。


スタジオのみなさんの雰囲気がポジティブで明るかったのが、印象的。DJの〇〇さんは、さすがに話上手。間をうまくつないで、沈黙を作らない。リズムのいいやり取りになったように感じた。

私のキャラは、ひねくれ者のはみ出し者。学校も、大学も、日本社会も、ぜんぶ星一徹ばりにちゃぶ台返しして、もうひっくり返すものがなくなって、やむなくインドに渡ったのである。

そういうひねくれキャラとして、今日はお話しした。

この番組は社会意識が強い。各分野で活躍する社会派ゲストを多数呼んでいる。私に聞いてきたことも、ちゃんと目的意識を持った問いが多かった。だからこそ、いろんな返しができた。切り口というか着眼点が違うと、話のノリもまったく変わる。そのことがよくわかった。



スタッフさんたちの多くは、20,30代。若くて元気。仕事が楽しいと言っていた。なんていい言葉。

最近、この国の未来を想うことが増えた。私は出家だから、社会についてあまりモノを語らないようにしている。訊かれていないことを自分から語ってはならないという戒律があるからだ。

だが、この国がひとつの小さなクラスだとして、声を挙げられない人、いじめられている人、苦しんでいる人がいるとして、

それでも出家として、教室の片隅にいるかいないかわからないくらいの体(てい)で座っていていいのだろうか、とは最近とみに考える。

自分一人で生きていくなら、静寂がよい。隠れるかのように生きていきたい。もともと出家は隠遁を好む。

だが、この国を信じて頑張っている人たちが報われずに涙するような社会になっていくのなら、

最後は、ハイ と手を挙げなければいけないようにも思う。


声を挙げたくても挙げられない人たちもいる。世の中には、心優しい人、一生懸命働いている人、生きることに精一杯の人、それぞれにいろんなことを感じて日々生きている人たちがいる。

そういう人たちを、特に今日出会ったような20,30代の人たちを、泣かせるような社会にすることは、同じクラスにいる人間として、容認すべきではないだろうと強く思う。 

 

隠遁までにまだやらねばならぬことがある 気がする師走

 


 

黄昏時のお濠端を自転車で走る。
二度とこの場所に来られなくなる未来が、もうすぐやってくる。



今年の漢字一字

 草薙龍瞬から--


2冊同時進行中です。

毎回、夢のある作品にチャレンジできています。唯一無二のものを。

毎回、本一冊を書き上げるのに、体を極限まで酷使する。横になれないし、食べられないし。体はミシミシ、ガタガタいう。
 
だが心はとても楽しいので、結果的にあまり疲弊していないかも。こんな楽しい日々はありません。

仏教式ノートは、最後の大詰め。

光って見えることがベスト。「時間が許されるなら、ぜひこれも考えてみてください」みたいな著者願いが、まだ続いています。ギリギリまで最善を尽くす。

と同時に、怒り方の本も執筆中。普通の本のレイアウトで現状360ページくらい。これをさらに減らしていく作業中。なかなか面白い言葉が洗練されて残ってきた。この瞬間にしか出てこない言葉が。
 
これもまた類を見ない斬新な作品になりそう。怒れ!という本。
 
今の時代、怒らなければいけないことはたくさんある。
 
なのに怒れない人があまりに多い。
 
ちゃんと怒らせてあげたい。正しい怒り方を、苦しんでいる人に託したい。


1月初旬発売の仏教式ノートは、イラストがすごくいい。
 
里野愛さんというイラストレイターが描いたという形で出る予定だったのだけど・・・。
 

今回、二冊ともすんばらしい、納得のいく作品になりそう。


今年を漢字一字であらわすなら、今ならば「」になる。

満身創痍の創? いや、創造の創(わかるって)

 
もうしばらくお待ちください。
 
 
 
著者も待ち遠しい