看護専門学校の教室から


本日取り上げた○○の資料を共有しておきます。興味のある人は目を通しておいてください。

医療をめぐる情報は、最初は厚労省のHPです。それなりの情報が公表されています。

ただし、メディアはほとんど取り上げないし、情報を読み解く<視点>を持って解説してくれる専門家は、ほとんどいません。

「自分で情報の意味をつかむ」必要が存在します。

でも、だからこそ、「面倒くさい」「忙しいからフォローできない」というのが、現場の医師や看護師さんの日常です。

でもそのままだと、「目隠しをしたまま」、自分、家族、そして患者さんに向き合うことになります。

今回のように、リスクが尋常でないレベルで実は高い薬剤の場合は、冗談ではなく、その命や将来を大きく左右しかねません。

「今のままでは、情報も知らないし、自分の頭で考えてもいない、これは危険だ」と気づく必要があります。目隠ししたまま車を運転する人など、いないでしょう? 同じことです。

情報をちゃんと手に入れること。しかも、メディアや専門家のフィルター(解釈・決めつけ・偏り)を通す前の、なるべく生の事実・データを見つけて、「考える」ことです。視点をもって、技法を使って。

なお、情報は、英語で検索するともっと出てきます。ほんとは、そういう生の情報をなるべく広く集めて、視点をもって眺めることなのです。

もうひとつ大事なのは、データの背後に隠れている苦しみにも、ちゃんと想像力を働かせることです。「89%の人が回復した」ということは、「11%の人はまだ回復していない」ということ。「11%? 100人のうち11人? それって多くないか?」と考えられるようになることです。

メディアや専門家が信頼されなくなりつつあるのは、事実を最初から無視したり、事実を都合よく解釈して、自分たちに有利な内容しか伝えないからです。

君たちは、人を救う側に立つ人間です。苦しみを背負っている人の側に立つ必要があります。

だから、最初に苦しみを見る必要があるのです。「事実を見れば、これだけの人たちが苦しんでいるではないか」と。

「その原因は? どうすれば解消できるのか?」と、しっかり考えを進めていくのです。

そして、<方法>については、なるべく多くを挙げて、選ぶか、選ばないかを、「苦しみを増やさない」という大前提に立って検討することです。

「避けられるリスクは避けるほうがいい」と言えることも、医療従事者にとっては大事なことなのです。「人を救う」ことが使命なのだから。

苦しみに寄り添って、事実・データを調べて、自分の頭で考える。

そうした習慣が身に着くと、情報を拾って分析することも、いっそう速く、正確にできるようになります。



2025・7・9