講座(坐禅会・仏教講座)の最新スケジュールは<公式サイト> ※2024年7月24日改訂
8月11日(日)
18:00~21:30
これからの生き方・働き方を考える・仏教講座特別編(
東京・新宿区
※中日新聞・東京新聞に連載中の記事から(毎週日曜朝刊掲載)
12 閑話休題
今、勉強中の十代の人たちへ。ここまで読んで「自分だってできるかも」と思ったかもしれない。できるかもしれないし、できなくてもいいかもしれない。建前(きれいごと)ではなく、勉強より大事なことは、確かにあります。
何をするにせよ〝気持ちが入る〟生き方を選びたい。趣味も部活も学びも友だちづきあいも。気持ち半分でぼんやり生きても、永久に楽しくないから。
気持ちを入れるには、三つ入り口がある。①「好き」から始める。②やってみる(とにかく体験する)→できるようになる→いっそう楽しくなる。③「このままではヤバい」という危機感で頑張る。
僕の場合は③だった。「あとで後悔だけはしたくない」と思い詰めていたから、自分にマイナスなことはしなかった。生き方を知るために、本や映画や新聞(特に文化欄)を活用した。決定的に影響を受けたのは、手塚治虫の漫画かも。人生の深さと世界の広さを教えてくれた。
人生は何事も方法(やり方)次第。やり方がわかればできるようになる。こればかりは先生も教えてくれない。自分で探す必要がある。数学なら段取り(展開の順序)をつかむ。国語なら理由づけや説明に当たる部分に印をつけて読む。英語なら文節ごとに区切って音読するなど。どんな手順で取り組むか。確立すれば強くなれる。
十代の頃は、周囲の目に敏感になるものだけど、ほどほどでいい。卒業したら、みんないなくなる。大人になったら、関わる相手も暮らす場所も自分で選べるようになる。そう、選べる大人になるために、今準備しているんだよ。
人生の着地点は、ひとつ居場所を見つけること。誰かの役に立つ(働く)ことだ。支えてほしい、助けてほしい、自分なりのやり方で。社会の幸福の総量を、君一人分増やしてほしい。
勉強ができるとか、褒めてもらえるとか、人が言うほど大したことじゃない。案外、みんなわかってないんだよ。自分のことも、生き方も。
自分らしくいられる場所を見つけよう。それだけでよかったんだ。(略)最後は出家してようやく答えがわかった、僕の体験に基づく結論です。
2024年7月21日掲載
※来年から寺子屋を始めるので、ときおりこのサイトで最新情報をチェックしてください。個別の感想・おたよりも受け付けています。