子供を育てる幸せ・喜びを体験できた人は、ラッキーです。
子供は親を求めてくれるし、素直だし。愛おしいものですよね。
そういう体験を過去にできたなら、その思い出を大事に取っておきたいものです。人生で一番幸せだった時期のことを(そうではなかった人もたくさんいます。だから子育てが幸せだったという人は、すごく幸運なのです)。
子供はすぐに大きくなるし、大人になった子供は、もはや別人。そりゃ仕方ありませんよね。幼い子供のまま、いてくれるはずはなく。
あの頃の子供と、今の子供とは、まったくの別人。遠い昔の話。でも確かにあったこと。
遠い昔を愛おしみながら、大人になった子供と向き合うことができれば、親としての愛情を保てることになります。
でも昔のことを今に持ち込むことで、相手(子供)に執着したり、今の関係性に物足りなさやさみしさを感じてしまうとしたら、それはやはり過剰な妄想であって、
そういうさびしんぼな自分に気づいたら、少しガマンして、自分の物事に戻る・・というのが、親としてのマナーなのかもしれません。
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「親としての自分」は、もちろん死を迎えます。いつか卒業。親の方で卒業するか、子供の方で求めなくなったら、その時点でいったん終了ということになるのでしょう。
ただ、これは「役割としての自分」の終焉であって、あるのが当然というか、自然です。
仕事をしている自分も、妻・夫としての自分も、すべての役割は、変化するし、終わりもする。
いろんな役割が自分を作っているけれど、その役割は、細胞のように新陳代謝して入れ替わる。
ひとつの役割が終わるとしても、全体としての自分は最後まで続く。新しい役割を引き受けるか、新しい喜びを見つけるか。
自分がどのように変わっていくか、入れ替わっていくか、そういうこともかけがえのない体験として、最後までよく味わって、体験しつくす。
きっとそれが人間としての自分にできること。
役割に執着せず、新しい今を生きる。
それがひとつの答えなのかもしれません。
2025・1・10
草薙龍瞬(出家・著述家)の言葉をお届けするブログです。著作・講座・講演等から ‶生き方として役立つ言葉” を抜粋してお届けしています。*毎週日曜の更新です。*講座最新スケジュールは公式サイト kusanagiryushun.blogspot.com へ