世の中、真っ当な人のほうが苦しみを背負うことがあります。これは人間関係にありがちな現象(化学反応みたいなもの)で、
そばにいる業の深い人と関わることで、真っ当な(良心的な、そして有能な)人のほうが、いつのまにか悪者にされたり、しわ寄せを受けたりするという現象です。
みにくいアヒルの子とかシンデレラとか(今回引っ張ってくる例としてふさわしいかどうかはわかりませんが笑)、
本人は本人のまま自然にいるだけなのに、周りが変わっていたりクセが強かったりすることで、相対的に真っ当な本人のほうが「ヘン」(異物)みたいな扱いを受けてしまうのです。
人間は自分のことがわからないし、自然体でもいられない。やっぱり認めてほしい、わかってほしいという思いもあるから、わかってほしい → でも理不尽な扱いを受ける・変だと言われる → きっとその通りなのだろう、と思ってしまう。
傷ついているのだけれど、周りの判断をつっぱねる強さや自信も人間なかなか持てるものではないので、その場におけるストレスを緩和するために、「きっと周りが言う通りなのだろう」と思って、その関係性を受け入れてしまうのです。
話をあえて広げましたが、この人も、その場所で抱く異物感みたいなものを長く抱えてきたように見えました。
はねつける強さを身に着けるには、どうするか?
自分のことがよくわからない自分一人の力ではなく、そんな自分と完全に違う立ち位置に立っている人のモノの見方や考え方に触れて、いわば同調して(これはいい意味)、自分を越える思考や発想を内面化することなのです。
だから、場所、人、出会いというのは、ものすごく大事なのです。そのためには求めること、動くこと。
幸いにこの人の場合は、求めて、動いて、この場所にたどり着きました。
この場所がどれほどの効力を持っているかは、それこそ人それぞれだし、この人のように自分で考えて、必要なものを吸収していける人であれば、いろんな場所や人との出会いを通して、遅かれ早かれ道を見出していったのではないかと思います。
とはいえ、そこまで役に立ったと言ってくれることは幸いです。この場所が価値を持った(貢献できた)ということだから。
(興道の里において)