ナンバーワンをめざすのは正しいか

<おしらせ>

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(オンライン講義での質問~「勝ちたい」「日本一」「世界一」をめざすのは正しいか?についての答え) 


これらは目的というより、動機ですね。「○○をめざしてがんばる」という。

動機は本人限りのものです。他者が認める客観的事実、つまり結果とはじつは直接結びつきません。

つまりは、本人が思い描く妄想でしかない。どんなに本人がヤル気になれるとしても。

だから「日本一」「世界一」をめざすというのは、すごくおかしな表現であり発想なのです。中身がない。結果がない。ナンバーワンをめざすというのは、妄想止まりの自己満足--そんな姿だったりします。


「動機(自分にとっての価値)」と「結果(他者が認める客観的事実)」は違う――この当たり前の理解を持っているかどうか。

動機で目一杯の(自分にとっての価値しか見えない)人は、結果(人が認める客観的事実)に、なかなかたどり着けないものです。

「これは本当に正しいのか(自分がめざすもの・やっていることが客観的に通用するか)」という視点がないからです。

他方、結果を出せる人というのは、動機に留まらず、つねに他者が認める結果・成果を見すえているので、「これで本当に正しいのか」という問いを持つことが可能になります。方法を考える、工夫する、そして専念する。

動機という自己満足を卒業して、方法そのものにエネルギーを使うから、結果が出る確率が上がるのです。

ビジネスなら「売れて(求められて)ナンボ」ということがわかっているから、売るための努力を惜しまない。

学びならば、「学んで(覚えて、できるようになって)ナンボ」ということがわかっているから、淡々黙々とインプット&アウトプットを繰り返す。

スポーツの世界でも、結果は自分のパフォーマンス次第という当たり前の事実を知り尽くしているから、自分を追い込んで練習する。

本当の結果・目標というのは客観的なもので、自分の妄想が通用しない。
方法を実践しなければ、結果を出せない。

そういうことがわかっているからこそ、努力できるし、人に通用する価値・結果を出せる。結果的に勝利・上位・一番にもなる、ということになります。



「結果的に」というところがポイントです。勝利・上位・一番というのは、めざせばかなうというものではなく、

まったく別のところ(方法)に思い・体・時間を投入した時に、あくまで結果として出てくるものなのです。

だから、動機としては正しいとしても、動機止まり。
結果を出すには、動機だけではまったく足りない。

その意味で、間違っている(足りない)ということになります。




2025年5月22日 オープンカレッジ・オンライン講義にて