そろそろ私も命の閉じ方(人生の卒業)に備えなければいけない。
そうした現実をふまえての、最近思うこと。
テーマはやはり、この国・この世界の未来だ。
未来を育てることに、残りの命は燃やさねばなるまい。
親として未来を育てる仕事は約20年。
教師・先生としての仕事は何年か? 中高が基本3年だから3年? いや、実はもっと長い。
先生の仕事は、本人の心を育てることだ。体験する機会を提供することから始めて、親にはできない知識・技術・ノウハウなどを伝えていく。
「世の中を渡っていける人間」に育ってもらうための訓練。それが先生の仕事だ。
育つには時間がかかる。親の元を離れることができたとしても、しばらくの間は(決して短い期間ではない)、みずから体験を重ねて、「できる」レベルに持って行って、さらにその「できる」が社会に通用するレベルにまで上達する必要がある。
いわば「社会的立場を確立する」こと。目安としては30年。
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つまり、教育には30年必要ということ。本人の学びを促す役割を追う大人たち、いわゆる「先生」は、30年かけて、ようやく自分たちの「教育」という名の努力が、実ることになる。
苗木が大きな樹木に育つ期間と同じくらいだ。
教育は、30年後の実りを見すえて、今を育てるという大きな事業だ。
この命の次の段階は、この事業を始めることにあるらしい。
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