さっそく危機感


ところで、今、紙の新聞が部数を減らしているのだとか。新聞で情報を取り、また様々な出来事について考えるという使い方をしない人が増えている・・・。

考えるのは、紙の新聞が縮小することで得られるプラスと、失うマイナス。

マイナスだってあるんじゃないのかな。ネットニュースとSNSだけでは、得られないプラスもあるのでは?

小学生の頃から、新聞を通して世の中のことを学んできた。そうした記憶がある身としては、新聞文化の衰退は、やはり淋しく思います。


その一方で、新聞・TVに代表されるマスメディアに物足りなさ、もっといえば不満を感じざるをえないことも事実。あればいいなと思うのは、

➀紙の新聞購読者は電子版もおまけで(無料で)利用できるとか、

②紙外第三者のサイト・ブログ・対談イベント等の話題・視点・情報を探して(キュレーションして)掲載するとか(:Newsweekが使っている手法/自発的に発信しているくらいだから原稿料はほぼ不要にできるかも?)、

③長期にわたって保存価値のある情報を整理したページとか(図鑑・資料的な/新聞の立ち位置にとらわれず総合的・立体的な視点で、課題・論点・情報を整理する)


・・・「紙&配達」以外の利点があれば、ということ。


現状、各新聞とも立場が固まっていて別の視点を拾えない(政治的立場で最初から分かれてしまっている)とか、即時情報はネットニュースで足りてしまうといった要素も不利に働いているのでは?とも考えます。

個人的には、整理された情報を、限られた範囲のみ(1日ごとに区切りがある)、落ち着いて読めることは、最大のメリット。あとは ”保存価値の高い情報” がもっと欲しい、というのが新聞一般への印象。

持続的に集めれば一冊の本になるくらいの保存価値ある情報・資料・知識・見解が一定量を越えれば、独自の商品価値を持ち始めるような気もしています。

「月数千円」が安いと思えるくらいの中身を、新聞社以外にリソースを見つけて充実させるということ。

帰国後最初に見た記事が、能登半島の仮設住宅が申請数8000に対して完成済みが300ほどしかなく、まだ瓦礫撤去も進んでいないという報道。

人も機材も大阪・関西万博に取られていることが背景にあるのでは? と素人目にもわかるのに、二か所に起きている現実をつなぐ報道がない???というのが印象的でした。このあたりが物足りない。

つなぐ「視点」があれば、世論形成にもつながるだろうのに、情報が分断されたままなので、読者はフーンで終わってしまう。

ジャーナリズム本来の使命・あり方が弱体化している印象が伝わってきます。総じてこの国には、中立・公平な視点で事実をつなげて考える(総合的)知性が、新聞、テレビ、アカデミズム(学者・専門家)全般にわたって、ない(弱い)気がしてきます。

 
帰国して、いろいろと日本社会の問題ばかり見えてきて、さっそく危機感を感じているこの頃です――。

 

 2024年3月8日