ブディズムの可能性


いや、この一週間はたいへんだった。いわゆるテンパるという状態が続いていた。

『反応しない練習』のコンテンツを講義・講演用のスライドにしていたのだ。引くべき文章はそのまま引き、関連する仏典の引用やパーリ語の解説や本文注釈、最新の話題、仏教以外の関連図書(社会学・経済学・心理学等)のリストや、未公開原稿を付けたりして。

名づけて、『反応しない練習 The Upgrade』。

スライドだが、百ページ近くになった。今後さらに膨らませていくから、最終的にはもっと増える。

徹夜が続いたが、やっと終わった。そして成果を活かす機会が、さっそく完成当日にあった。

『反応しない練習』を解説し、実際に体験してもらう講演会だ。

講演というのは生ものだから、本の活字よりは、伝わる情報量や表現の正確度は落ちる気はしている。だがライブで直接伝えることには、正確さとは違う価値があるらしい。

今回は、50ページを超える本に近いスライド資料も用意したから、それなりに価値のあるコンテンツを作れたような気がしなくもない。「読む講演」的な。


『反応しない練習』『大丈夫、あのブッダも家族に悩んだ』、そして『怒る技法』は、現代社会を生き抜くうえで欠かせないスキルを集めた3部作だ。

これらの作品は、今を生きていくうえで不可欠。だが、ほとんどの人は知らない。合理的な心の使い方、業、そして怒るべき時は正しく怒る必要性について。

これらを知っているかどうかで、人生はまったく変わってくる。本当は、企業に入った最初の時点で学んでおくべき内容が含まれている。

きちんと読んでもらえば、人生に見通しがつくようになる。ラクに生きられるようになるだろう。そうあってほしいと願う。


一人一人の人間は、広い世界の歯車に過ぎないかもしれない。だが、それぞれが小さな役割を果たすことで、この大きな世界が回っている。

どんな仕事であっても、その人が元気に働いている。それが、社会にとってどれほど大切なことか。

だから、一人として欠けてほしくない。働ける人は、働ける限り働いてほしい。元気に、幸せに。

そういう人としての思いをこめてお伝えして帰ってきた。充実した一日だった。


一人打ち上げとして外食しようと思ったが、いつの間にか値段がグンと上がっていた。久しぶりに(?)スーパーに行ったら、お米だけでなく、いろんなものが高くなっていた。値上げぶりが容赦ない。もはや隠そうともしなくなったようだ。

収入が連動して上がるわけではないから、急に暮らしが厳しくなったと感じる人は多かろう。さながら不意に水位が上がって溺れかけるかのような気分か。

そんな時勢に〇〇党は、ろくでもないことをやっている。あの党は壊れている。ガチで終わらせないとダメだ。この国全体を覆う閉塞感と為政者の絶望的な愚昧さは、この国は過去何度か体験しているはずだと思うが、はてこの先変わる機運は高まってくるのだろうか。


これでようやく休めると思ったら、新聞連載のイラスト描きが残っていた。また徹夜か・・。

でも久しぶりに、集中を継続できた。働いたという実感を思い出した(笑)。

そろそろ本の執筆でも、この継続モードを起動せねばなるまい。



2024・11・13